NPO法人生命の貯蓄体操普及会

専門家の声

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専門家の声

櫃本 真聿(ひつもと しんいち)

医師、医学博士、労働衛生コンサルタント。公衆衛生学会認定専門家。

1979年愛媛大学医学部卒業。愛媛県庁健康増進課長等を経て、2002年母校愛媛大学医学部附属病院医療福祉支援センター副センター長に就任、2006年より同センター長、2013年同大学附属病院総合診療サポートセンター長を歴任。2016年1月より、四国医療産業研究所 所長として現在に至る。

セルフケアとして有効な「生命の貯蓄体操」

私の専門は「公衆衛生」です。公衆衛生を簡単に言えば、社会全体として病気の予防や健康の増進に取り組むことです。

もちろん、健康を損なったときには医療の力が必要です。けれど、頼りきりになるのではなく、病気を未然に防いだり、早期の回復を図ったりするために、日頃からの「セルフケア」を心がけていただきたいと願っています。

 

その方法の一つとして、お勧めしたいのが、「生命の貯蓄体操」です。

20年前、私は愛媛県庁の健康増進課長を務めていました。当時、厚生労働省の「健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)」がスタートし、健康づくりに役立つ運動や体操が注目される中、愛媛県発祥で全国に普及していった、この体操に出合いました。

 

生命の貯蓄体操では、呼吸を意識しながら体を動かし、おなかからも大きな声を出します。この呼吸と発声は、自律神経のバランスを改善する効果があります。

自律神経は、内臓、血管、筋肉など全身のさまざまな部分の働きを調整する役割を持ちます。

ですから、バランスが乱れると、気分の落ち込み、耳鳴り、めまい、高血圧など、万病のリスクを各段に高くします。

生命の貯蓄体操で現代医学の弱点をカバー

しかし、自律神経の調整は、現代医学(西洋医学)が不得意な分野だとされています。西洋医学は臓器や組織、細胞‥‥と人体を細分化し、悪い部分を見つけて直すという考え方です。

しかし、自律神経の乱れは、精神的ストレス、不規則な生活など、多くの要因がからみ合って起こるので、「どこが、どう悪い」とはっきりと発見できないのです。

 

一方、東洋医学は人間を肉体のみならず、精神的な面も含め、全体として捉えるのが特徴で、「気血」がバランスよく巡っているのが健康な状態だと考えます。「気」は目に見えない生命エネルギー、「血」は血液などの体型を総称したものと捉えられます。

この気血の流れを整える方法の一つとして、東洋医学では呼吸法を重んじてきました。近年では、西洋医学も呼吸の大切さに気づき始めています。深い呼吸によって、自律神経が整うことは科学的にも明らかになっています。

自律神経が整うと、体内の至るところが活性化して、免疫力も高まります。東洋医学では、そのことが経験的に知られていたのでしょう。

 

生命の貯蓄体操も、まさに「気血の流れ」を整え、自律神経を安定させるとともに、全身の血液循環をよくする上でも、とても効果的な運動だと思います。

生活習慣病の防止にも有効でしょう。

筋肉がしなやかになり、骨と関節の負担も軽減

また、生命の貯蓄体操は、日常の動作ではあまり動かせていない、体の奥の深層筋(インナーマッスル)に効く体操でもあります。

深層筋が鍛えられると、姿勢がよくなる、体を動かしやすくなる、骨や関節への負担が減る、といった効果があります。

 

年齢を重ねると、筋肉の量が減るだけでなく、しなやかさが失われ、体が硬くなります。すると姿勢が悪くなり、ひざ、腰などの痛み、体の不調にもつながっていきます。それらの改善にも役立つでしょう。

 

実際、体操をしている方からは「気分がスッキリして、調子の悪いところもなくなった」とか「どこか痛くなっても、体操をするとやわらぐ」という声もよく聞かれるそうです。

私も教室を訪れた際に、40代、50代の方だけでなく、80代、90代といった高齢の方でも、年齢を感じさせないほど元気に、生き生きと体操されているのを見て驚いたものです。

 

体操を通じて「自分の体をコントロールできる」ということは、大きな喜びや自信につながるのでしょう。その意味で、「セルフケア力の向上」「生きる意欲のアップ」「生活の質を上げる」といった意義も大きいと思います。

皆さんも健康のために、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

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